「ヘーベルハウスって有名だし、頑丈そうで安心じゃないの?」そんなふうに思っている方は多いかもしれません。実際、旭化成ホームズが手がけるヘーベルハウスは「災害に強い」「頑丈」「30年メンテナンスフリー」といった魅力的な謳い文句で知られています。しかし、実際に住んでみた人たちの声を拾っていくと、必ずしも良いことばかりではない現実が見えてきます。筆者もへーベルで建てて10年以上経過していますが、夏は本当に暑くて大変です。内装や設備に関してもたくさん言いたいことがありますが、本記事では、ヘーベルハウスで家を建てた方の実際の後悔、欠陥、不良、苦情対応、消費者センター相談例なども交えながら、リアルな体験談をまとめました。
1. 「軽量鉄骨」構造だった!?重量鉄骨と思っていたのに…
多くの人が「ヘーベルハウス=重量鉄骨」というイメージを持って契約しています。しかし実際には、軽量鉄骨を使用したプランも存在し、希望していた強度や構造と異なる仕様だったと気づくケースも。
「営業担当からの説明が曖昧だった」「構造について質問しても詳しく教えてくれなかった」といった体験談が複数寄せられています。実際の構造を知ったのは工事開始後だったという声もあり、契約前の説明不足が問題になっています。
構造材によって耐震性能や遮音性にも差が出ることがあるため、こうした情報は非常に重要です。構造に対する誤解からくる失望は、住み心地への不満へと直結します。
2. 屋上防水の劣化が早い
ヘーベルハウスの屋上付き住宅は、デザイン性の高さと庭代わりの開放感で人気があります。しかし、屋上部分の防水施工に関しては問題点も。
入居から数年で「防水シートの浮き」「ひび割れ」「コケや汚れが取れない」といった症状が発生し、早期に補修が必要になるケースが見られます。
特に注意が必要なのは、ヘーベルハウスの防水保証期間が一律ではなく、屋上部分のメンテナンスは10年を超えると有償になることがある点です。補修工事は30万円〜100万円以上の高額になることも。
ユーザーからは「10年しか持たないのに“30年安心”とはどういう意味か」といった疑問の声も上がっています。
3. 設備修理はヘーベリアンクラブ経由で「高額請求」
給湯器の故障やトイレの水漏れなどの設備トラブルが発生した場合、ヘーベリアンクラブに連絡するよう案内されます。
問題はその修理費用。ヘーベリアンクラブを通すことで、実際のメーカー修理価格に手数料や仲介手数料が上乗せされ、2倍〜3倍以上の高額請求になることがあるのです。
ある家庭では、ノーリツの給湯器修理がメーカー直接依頼なら18,000円で済んだはずが、ヘーベル経由だと57,000円だったという事例も。
また、請求書が「旭化成ホームズ名義」で来るため、メーカーと直接やり取りができない構造になっており、トラブルになりやすいポイントとなっています。
4. 間取りの自由度が少ない
構造上の制約から、自由な間取り設計が難しいと感じる人が少なくありません。
「吹き抜けを作りたかったのに、構造上できないと言われた」「水回りの位置が動かせないので家事動線が悪くなった」など、住み始めてから“設計の制限”に不満を感じるケースがあります。
また、階段の位置や柱の太さ・位置などが固定されていることも多く、施主が希望する内装デザインや家具配置が難しくなるといった課題も。
5. 営業担当とのトラブル
契約前は丁寧だった営業担当が、契約後に連絡がつかなくなったり、対応が雑になったという苦情が目立ちます。
・要望を伝えても設計担当に伝わっていなかった
・約束したサービスが履行されなかった
・ミスがあったのに謝罪がなかった
・デメリットは聞かなければ説明してくれない
といった対応のズレが積み重なり、施主のストレスに。営業個人の質にばらつきが大きく、外れ担当に当たるとその後の家づくりに大きく影響します。
6. 契約後の仕様変更で追加料金が高額に
打ち合わせ段階では“無料”と思っていた仕様変更が、正式な見積もりで大きな追加費用として提示されることがあります。
・キッチンのグレードアップ → 40万円追加 ・コンセントの数を増やす → 1か所ごとに8,000円 ・照明のデザイン変更 → 15万円以上
など、「ここまで上がるとは思わなかった」という驚きの声が多数寄せられています。
施主の予算感覚と実際の価格設定に大きなギャップがあり、これがトラブルの火種になることも。
7. 外壁の色あせが意外と早い
ヘーベルハウスといえば白系のシンプルな外観が特徴ですが、日差しや雨風にさらされることで意外と早く色あせが進行します。
特に南向きや西向きの壁面では、3〜5年で「白がグレーっぽくなった」「汚れが目立つ」といった見た目の劣化を訴える声も。
耐候性のある塗装がされているとはいえ、定期的な洗浄や塗り替えは必要で、見た目の維持には手間とコストがかかります。
8. 定期点検が有料になる
「30年間安心の無料点検」が売り文句になっていますが、実際には一定期間を過ぎると有償になる点検項目も多く存在します。
例えば、
- 屋根・外壁 → 10年以降は点検は無料でも補修は有料
- シロアリ防除 → 5年ごとの薬剤再注入(約10万円)
- 排水管清掃 → 3年目以降有料(1回2万円程度)
点検時に“予防的工事”を強く勧められることもあり、必要性が不明確な工事を断りづらいという声もあります。
9. 小さな不具合の対応が遅い
「建具がきしむ」「ドアの閉まりが悪い」「換気扇がうるさい」といった小さな不具合の連絡をしても、なかなか対応してもらえなかったというケースもあります。
特に、2年保証が切れたあとは「保証対象外なので有償になります」との一点張りで、修理に消極的な姿勢を見せることも。
ユーザーからは「大手なのにアフターサービスが冷たい」「対応が事務的すぎる」といった不満の声が相次いでいます。
10. カビや断熱トラブル
ALCパネルの通気性が高い一方で、断熱施工が甘いと結露やカビの原因になります。
「床下にカビが発生」「クロスの裏が黒くなっていた」など、健康被害にもつながる深刻なトラブルが起きた例もあります。
施工業者による管理ミスや断熱材の不足が原因とされ、後からの補修に数十万円以上かかったという報告も。
11. 騒音トラブルが意外と多い
鉄骨構造だから静かかと思いきや、「屋上の雨音が響く」「隣の子どもの声が聞こえる」など、意外なほど騒音が響くと感じる施主もいます。
断熱材や防音材の施工精度によって音の伝わり方は大きく異なり、特に2世帯住宅や狭小住宅では音の問題が表面化しやすいようです。
12. トラブル時の連絡がつきにくい
トラブル時に電話がつながらない、メールの返信が遅いといった苦情が多く見受けられます。
公式サイトに相談窓口が明記されておらず、「営業担当者に電話したら辞めていた」「引き継ぎがされていなかった」など、対応体制の不備が目立ちます。
13. 消費者センターへの相談事例も
旭化成ホームズに関する苦情や不満は、実際に**国民生活センター(消費者センター)**にも多数寄せられています。
- 施工内容と契約書の内容が異なる
- 不要な追加工事を勧められた
- 修理費用が相場より大幅に高い
といった理由で相談され、交渉によって返金や説明を受けたケースも存在します。トラブルが長期化しやすいため、早期相談がカギとなります。
14. 消費者団体からの表示改善指導も
2018年、認定NPO法人「消費者機構日本」は、旭化成ホームズの広告表示に対して「有利誤認の恐れがある」として差止請求を実施。
問題となったのは、
- 「30年メンテナンスフリー」という表現
- 保証年数が部位ごとに異なるにもかかわらず、まとめて安心と誤認させる表示
これを受けて、旭化成ホームズは表示内容を修正。現在では、より詳細な保証内容を明記していますが、過去の資料を信じたまま契約した人々の中には納得していない声もあります。
15. 高額な補修工事の案内が頻繁に届く
築10年を過ぎた頃から、ヘーベルハウスから届く「点検・補修のご案内」が頻繁になります。内容を見ると、
- 外壁塗装:120万円〜180万円
- 屋上防水工事:90万円〜150万円
- 設備交換一式:50万円〜
といった高額の見積もりが並びます。
「見積もりを他社に取ったら、半額以下だった」「必要ない工事までセットにされていた」との声も多く、金額の妥当性に疑問を持つユーザーが増加しています。
まとめ:ブランドだけに頼らず、実体験をよく調べてから判断を!
ヘーベルハウスは確かに耐久性・耐震性に定評があり、高評価な声も多数あります。
しかし、その一方で「施工ミス」「説明不足」「高額な維持費」「苦情窓口の不備」「消費者トラブル」といった問題も多数報告されています。
SNSや掲示板、口コミを丹念にチェックし、自分のライフスタイルや価値観に合うかどうか、じっくり検討することが後悔しない家づくりの第一歩です。