高齢者の一人暮らしや、高齢夫婦のみの世帯は隙が生まれやすく、家族世帯に比べると犯罪被害のリスクが高い傾向にあります。特に高齢者は体力や判断力が低下していることも多く、犯罪のターゲットになることがあるので防犯対策は必須です。
そこで今回は、高齢者の防犯対策について解説します。
空き巣や強盗の侵入経路として多いのは無施錠の玄関、勝手口、窓です。
そして、泥棒の侵入防止対策で重要なのが、防犯の4原則「音」「光」「時間」「目」です。
ここでは4原則を盛り込んだ防犯対策5選をご紹介していきます。
高齢者のための住まいの防犯対策5選
- 音による防犯対策
- 光による防犯対策
- 時間掛けさせることによる防犯対策
- 人の目による防犯対策
- その他のおすすめ防犯アイテム
「音」の対策に威嚇ブザー、防犯砂利
「音」で空き巣を怯ませる防犯アイテムには、威嚇ブザーや防犯砂利があります。
威嚇ブザー
空き巣の侵入対策で用いる威嚇ブザーとして推奨されるのは100db以上の音量が出るタイプです。このレベルはパトカーのサイレン音を至近距離で聞く程度の音量といわれ、侵入を試みた空き巣を諦めさせるのには効果的です。一方でそこまでの音量でなくとも音が出るだけでも空き巣には有効ですので、まずは侵入検知と威嚇ブザーはセットで効果が生じることをご理解頂ければと思います。
防犯砂利
防犯砂利も、不審者の侵入対策に用いられる防犯アイテムです。
防犯砂利の敷かれた庭を通るには足音は避けられず、静かに近づきたい空き巣にとっては嫌なものです。防犯用に使われる砂利は一般のものより大きく、足を踏み入れた時点で周囲に踏みしめた音がしますので、空き巣は敷地内に入りにくくなります。
「光」の対策にセンサーライト
「光」を有効に活用した防犯アイテムといえば、センサーライトです。
物の動きや熱を感知して自動点灯する機能があり、接近した不審者を明るく照らして周囲に異常を知らせます。住まいに設置されたセンサーライトを理由に、犯行をあきらめる侵入者も少なくありません。
赤外線センサーライト
「時間」の対策に補助錠、防犯性の高い鍵、防犯ガラス
侵入に「時間」がかかるようにすれば空き巣はあきらめます。有効な防犯アイテムには補助錠、防犯性能のある鍵、防犯ガラスや防犯フィルムなどがあります。
ドア用補助錠(ワンドアツーロック)
玄関扉や勝手口に補助錠を取り付けて出入口を強化するワンドアツーロックは、防犯の基本です。ツーロックにすることでバールによるこじ開けやピッキングによる不正解錠がしにくくなり、空き巣の侵入リスクを軽減できます。
防犯性の高い鍵
玄関の鍵は、防犯性の高いディンプルキーなどへの交換をおすすめします。ディスクシリンダーやピンシリンダーなどは防犯性が低く、ピッキングされやすいのが弱点です。ディンプルキーはピッキングに強い構造を持つため、空き巣の侵入防止対策に使えます。
防犯ガラス
防犯ガラス(合わせガラス)は2枚重ねのガラスの間に特殊な樹脂膜を入れた構造で、耐貫通性能と飛散防止効果にすぐれています。
ハンマーで叩いても簡単には割れないほどの強度を誇ります。割るのに要する時間は、通常のガラスの比ではありません。強引に割ろうとすれば大きな音も避けられず、空き巣にとって手ごわいアイテムです。一方で、一般的に高額であることがネックです。
防犯フィルム
防犯フィルムは、窓を空き巣などの侵入犯から守るために用いられる防犯アイテムです。
窓を叩き割られてもフィルムがガラスを保持するため、外部からの侵入を難しくする効果があります。ケガなど二次被害を防ぐ飛散防止効果もメリットです。窓全体でなくとも、窓の錠(クレセント)周り中心に防犯フィルムを貼ることも有効です。これは三角割りなどの破壊行為に有効に機能します。
窓用補助錠
補助錠は、玄関以外にも窓に取り付けることでセキュリティが高まることが期待できます。
窓用補助錠には、両面テープで貼り付けるだけの簡易タイプから暗証番号・電子キーで解錠するキーレスタイプ、鍵付きタイプまでさまざまですが、空き巣が窓の鍵(クレセント)周りを割ってクレセントを解錠しても窓が開かないという状況を与えることは非常に高い防犯効果を生みます。
「人の目」の対策に防犯カメラやカメラ付インターホン
監視の「目」になるアイテムといえば、「防犯カメラ」や「カメラ付インターホン」です。
来訪者や犯行現場が映像記録として残るため、空き巣はやりにくいと感じるはずです。目立つ場所への設置や、「防犯カメラ作動中」と書かれた防犯ステッカーを貼れば、より高い犯罪抑止効果を狙えるでしょう。ダミーカメラはインターネットなどで安く購入できますが、全くお勧めできません。空き巣もプロですからダミーカメラをすぐに見破ります。
防犯カメラ
親族が離れて暮らしている場合に検討したいのが遠隔操作可能なカメラの設置です。カメラがあれば防犯状況を確認しやすいほか、ケガや事故、病気の発作などの非常時にも早急に駆けつけることができます。一方で、本人が生活を見られているのを嫌がる可能性もあるため、双方が合意のうえで導入しましょう。
カメラ付きインターホン
犯人は宅配員などを偽って侵入してくる場合があります。初めて見る訪問者は、カメラ付きインターホンで用件を確認後、ドアチェーン越しに身分証や荷物の送り状などを確認してからやり取りをすると安全です。また、身に覚えのない荷物の受け取りは断りましょう。また、録画機能付きのものであれば、不在時の来訪者も録画されているので、出掛けている間にどんな人が訪ねてきたのか確認することもできます。Wi-Fiに接続してスマホで応答できるタイプの機種もあります。このタイプであれば、インターホンにはご家族が対応するこも可能になり、悪質な訪問セールなどにもかなり有効です。
その他のおすすめ防犯アイテム
防犯機能付き固定電話
特殊詐欺や迷惑電話の対策として防犯機能付きの電話機の使用をおすすめします。
「+1」「+44」等から始まる国際電話番号を犯行に利用する特殊詐欺が急増しています。
海外からの電話に心当たりがない場合は、このような番号からの電話には出ない、かけ直さないよう、ご注意ください。
海外との電話が不要な方は、固定電話・ひかり電話への発信・着信を無償で休止できます。