高齢者の軽い失禁対策(下着編)

高齢者の生活に役立つ情報

 普段は基本的にはご自分でトイレに行くとができているお年寄りでも、時にはトイレまで間に合わなかったり、咳き込んだ拍子に漏れてしまうといった軽度の失禁や尿漏れをしてしまうことがあります。

 今回は、まだオムツをするレベルではないけど、軽度の失禁や尿漏れがあって安心して外出を楽しむことができないというような高齢者にとって、とても便利な下着をいくつかご紹介したいと思います。下着を選ぶ際は、本人の自尊心に配慮し、快適さと機能性を両立させるためのポイントが重要になってきます。

軽度失禁(ちょい漏れ)の下着を選ぶ重要ポイント

 最近は、軽度失禁(ちょい漏れ)用の下着もたくさんの種類が市場に流通するようになっていますが、中には尿をほとんど吸収しないような粗悪品も出回っています。今回は下着選びの際に注目するポイントをご紹介していきます。

吸収性の高い素材

 失禁用の下着には、吸収性の高い素材が使われています。ポリエステルやナイロンなどの合成繊維を使用したものもありますが、吸収パッドが内蔵されている専用の下着を選ぶと、より安心です。吸収パッドは通気性が良く、肌に優しい素材で作られていることが多いです。

サイズの適正

 失禁用下着は、きつすぎず、ゆるすぎず、体にフィットするサイズを選ぶことが重要です。過度にきついと血行が悪くなり、逆にゆるいと尿漏れを防げないことがあります。ウエストやヒップのサイズに合った下着を選び圧迫感やずれを防ぎましょう。

フィット感

 体にフィットする下着は、動きやすく、漏れのリスクも減少します。ゴムの伸縮性やウエストバンドのデザインが重要です。調整可能なストラップやゴムバンド付きのものも良い選択肢です。

防水性

 防水性は、失禁対策や尿漏れ対策において非常に重要な要素です。防水性がある素材を使うことで、尿が漏れても周囲に広がらず、衣服や家具が濡れないように保護することができます。防水性のある下着や、漏れを防ぐための防水カバー付きの下着もおすすめです。以下は、失禁対策における防水性を持つ素材や製品について詳しく説明します。

1. ポリエチレン(PE)やポリウレタン(PU)

  • 特徴: ポリエチレン(PE)やポリウレタン(PU)は、薄くて軽い防水性のある合成素材で、主に防水シートや失禁パッド、尿取りパッドの裏面に使用されます。これらの素材は、液体を通さないため、湿気や水分をしっかり防ぎます。
  • 利点: 軽量で柔軟性があり、透湿性のある製品(通気性を確保しつつ防水性を保つ)にも使用されています。衣服やベッドの上で使う際に、液体が漏れるのを防ぎます。
  • 欠点: 長時間接触していると蒸れやすいため、通気性が重要です。

2. ラミネート加工素材

  • 特徴: ラミネート加工は、布素材(例えばコットンやポリエステル)に防水性のあるポリウレタン膜やポリエチレン膜を圧着させる加工技術です。この加工を施した素材は、見た目や手触りは通常の布のようでも、防水性を持っています。
  • 利点: 柔らかく、通気性も比較的高いものがあり、失禁用の下着やシート、クッションカバーなどに使用されます。水分を防ぎつつ、肌の呼吸を妨げません。
  • 欠点: 長時間の使用や繰り返し洗濯すると、防水層が劣化する可能性があるため、製品寿命に注意が必要です。

3. ビニール(PVC)

  • 特徴: ビニールは、防水性が非常に高い素材で、しっかりと水分を弾きます。防水シートやカバー、失禁パッドの外装などに使用されます。
  • 利点: 完全に水分を遮断するため、強力な防水性を誇ります。お手入れが簡単で、洗浄しやすいです。
  • 欠点: 通気性がほとんどないため、長時間の使用や皮膚との接触がある場合は蒸れやすく、かぶれを引き起こす可能性があります。

4. 防水布(ターポリン)

  • 特徴: ターポリンは防水性の高い厚手の素材で、主にアウトドア用品やカバー類に使用されます。失禁用シートやクッションカバー、シーツなどに使われることもあります。
  • 利点: 防水性が非常に高く、丈夫で耐久性があります。汚れもつきにくいため、衛生的です。
  • 欠点: 通気性が低く、蒸れやすいので、長時間肌に触れる部分には不向きかもしれません。

5. 防水ラミネート加工コットン(PUコーティング)

  • 特徴: コットンの布地に防水加工を施したもの。ポリウレタン(PU)でコーティングされたコットンは、見た目がナチュラルで肌触りも良いです。
  • 利点: 通気性と防水性のバランスが取れており、失禁対策に適しています。肌触りも柔らかく、長時間使用しても快適です。
  • 欠点: 完全に防水というわけではなく、極端な湿気や長時間の使用には限界があります。

6. シリコン製素材

  • 特徴: シリコンは防水性と耐久性に優れた素材で、一部の失禁用パッドやシート、吸水パッドの表面や裏面に使用されます。
  • 利点: 防水性が高く、柔軟でしなやかな素材です。強力に液体を防ぎながら、湿気を外に逃がす効果もあります。
  • 欠点: 通気性の確保が難しい場合があり、蒸れや不快感を避けるためにデザインに工夫が必要です。

7. Teflon(テフロン)加工

  • 特徴: Teflon(テフロン)加工は、布や繊維に防水性を与えるために使用される化学加工です。水や汚れを弾く性質があり、失禁対策のシーツやカバーに利用されることがあります。
  • 利点: 汚れや水分を効果的に弾くため、使用後のお手入れが簡単です。また、撥水性に優れ、長時間使用しても防水性が維持されます。
  • 欠点: 完全防水には限界があり、強い圧力や時間が経つと効果が薄れることがあります。

8. 防水ベンチレートフィルム

  • 特徴: 防水ベンチレートフィルムは、通気性を保ちながら水分を遮断する高機能素材で、失禁対策に使われることがあります。特に、皮膚と直接接触する製品(失禁パンツ、パッドなど)に使用されます。
  • 利点: 通気性があり、蒸れを抑えながら、尿漏れを防ぐことができます。湿気を防ぎ、快適な着用感を提供します。
  • 欠点: 比較的高価で、特定の製品に限られた使用が多いです。

まとめ

 防水性は失禁対策において非常に重要ですが、選択する素材は使用シーンや快適さを重視する点においても大切です。完全防水を求める場合は、ビニールやポリエチレン、ポリウレタンなどが有効ですが、肌に優しく通気性を確保したい場合は、ラミネート加工や防水コーティングされたコットン、シリコン素材などがおすすめです。使用目的に合わせて、最適な防水素材を選び、快適さと衛生面のバランスを取ることが重要です。

通気性

 通気性の良い素材を選ぶことで、湿気がこもらず、肌トラブルを防ぐことができます。通気性のあるメッシュ素材や、乾きやすい素材が使われている下着が良いです。

着脱のしやすさ

 特に介護が必要な場合や自分での取り外しが難しい場合には、着脱が簡単なデザインの下着が便利です。例えば、サイドにスナップボタンやマジックテープが付いているものなどが考えられます。

デザインと見た目

 外出時などに配慮が必要な場合は、デザインや見た目にも気を使うと良いでしょう。制服に着替える必要がある職場など、更衣室とはいえ人前で着替える場合には見た目が普通の下着と変わらないデザインの物が良いでしょう。最近の失禁用の下着は、見た目が普通の下着とほとんど変わらないものも多く、プライバシーを守るのに役立ちます。

定期的な交換

 失禁用の下着は、定期的に交換することが大切です。長時間使用すると吸収力が落ちるため、衛生的にも適切な交換が必要です。長時間の外出するような場合は替えの下着を持参したり、使い捨ての尿取りパットの使用も検討すると良いと思います。

これらのポイントを参考にして、高齢者に最適な下着を選び、快適な生活をサポートしてあげてください。

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